10月下旬のある日、急に思い立って、高尾山に登った。
日帰り登山が趣味だったが、これまでに一度も訪れたことがなかった。
高尾山は行こうと思えばいつでも行ける山だったし、何より、山登りというよりは気軽なハイキング場所という印象があったからだ。
しかし、実は、舗装された登山道だけでなく、ちゃんと山登りができるコースも用意されているとのこと。
その日は、とある事情で気分を入れ替えたくなり、翌朝、早朝から高尾山へ向かった。
高尾山口駅から6号路で山頂へ
高尾山には、たくさんのルートが用意されている。
舗装されている道で気軽に登れる1号路が人気だが、ちゃんとした山登りを楽しみたい人でも満足できるルートはある。
景色の見える稲荷山ルート、沢登りの6号路、吊り橋のある4号路など。
初めての高尾山、どのルートで登るか迷ったが、今回は6号路で登ることにした。
理由は、沢に沿って登るためマイナスイオンが豊富そうなことと、久々の森の空気を存分に感じたいため。
あと、人があまり多くないルートでゆっくり歩きたい。
山頂まで約80分。軽く山登りをするのにちょうど良い。
6号路は、ケーブルカー乗り場の脇を左に進んでいく。
その後は、案内板に沿って歩いていくと、左手に6号路の登山口が現れる。迷うことはない。
登り始めたのは朝の8時ちょうど。10月下旬、登山シーズンの週末。登山者は、やはり多い。
6号路は沢にぴったりと沿って登っていく。
常に川のせせらぎを聞きながら、そしてマイナスイオンを感じながら歩けるのはとても心地が良い。
登山道も整備されていて、勾配も比較的なだらか。きついと感じる場所はほぼない。
途中、小さな橋を渡ったり、休憩場所で休んだり、のんびりと楽しく登れる。とても気に入った。
この日、早朝まで雨が降っていたためか、登山道は湿っていて滑りやすかった。
登りだからまだ良いが、下山時には滑らないように気をつけたい。
緩やかな道を1時間ほど登っていると、ついに沢歩きの地点へ。
全く深くはなく、湧き水が岩場の表面をなぞっている程度だが、スニーカーでは厳しそう。水をしっかり弾く登山靴は必須。
沢登りを終えると、いよいよ、このルートのラスト。200段以上の階段が待ち受けていた。
実は、6号路について、ほぼ全く予習をしてこなかったため、こんな階段は想定外。
数年前に改装されたようで、綺麗で登りやすい。
とはいえ、終わりの見えない階段を一歩づつ踏み込む足は、徐々にきつくなっていく。息が切れる。
無理せずにゆっくりと登っていくのが良い。
登った先には広い休憩所があるので、ここで呼吸を整える。
高尾山山頂から見る富士山と心地よい風
6号路の階段を上り切って、10分ほど歩くと、ついに山頂に到着。9時20分。
標高599Mからの景色は想像を超えて美しく、ひさびさの山登りの醍醐味を味わう。
この日はとても運が良く、西方向に富士山をはっきり見ることができた。感動。
そして、山頂は心地の良い風が吹いている。石段に腰け、いつまででも富士山を眺めていることができる。
このところ、心身ともにかなり疲弊していたのだが、この時間だけは、そういったことを全てを忘れさせてくれる。
だから山登りはやめられない。
山頂は、ケーブルカーで登ってきた人も多く、まだ朝9時台というのに、思った以上に混雑していた。
10月下旬。紅葉も少しずつ始まっている。
下りは3号路〜2号路〜琵琶滝へ
40分ほど山頂で過ごし、下山へ。
帰りのルートは非常に悩んだが、3号路に決めた。
なんとなく人が少なそうなルートを選んだ。
案の定、登山者は6号路よりもはるかに少なく、正解。ゆっくりと歩ける。
そして、勾配もなだらか。歩きやすい。途中、大きめの橋を渡ったり、景色が開ける地点も。
3号路は、途中で2号路に合流する。しばらくは2号路を進んでいく。
ここで、ケーブルカーの終点、高尾山駅に寄り道することにした。
目当ては「天狗焼き」。
高尾山駅にはお土産屋や軽食が取れるお店が並んでいるが、その一角で、鴉天狗の可愛いお菓子を購入。1個200円。
焼きたてでサクサク、中にはいろんな種類の豆が入った餡がびっしり詰まっている。
この優しい甘さが、登山の疲れを癒してくれる。
ちなみに、高尾は天狗アイテムをよく見かける。
高尾では古くから修験道の修行が行われていて、修行の終わった山伏たちが天狗として神格化されたとのこと。
こういった、その土地の情報を調べるのも楽しい。
こちらでは記念スタンプも。ケーブルカーの駅の左手に。インクが乾いていることもあるので、試し押しは必須。
さて、引き続き登山ルートに戻る。
ここからは1号路で下ろうと思っていたのだが、人が多すぎたため、裏ルートを進むことに。
一旦2号路に合流したのち、分岐点で琵琶滝ルートに向かう。
しかし、このルート、想定していた以上に勾配がきつく、歩きづらい。膝にくる。
ほとんど人もいないので、少し心細くなりつつも、ひたすら慎重に下って行く。
そして、琵琶滝で6号路と合流。そこからは10分ほどで、ケーブルカー駅に戻った。
寄り道もしていたため、下山にかかった時間は120分ほど。
ちなみに、高尾山口駅には、靴を洗える水道もたくさん用意されているので、汚れた登山靴を綺麗にできるのはありがたい。
東京から電車でアクセスしやすく、軽く山登りをしたいときにぴったりな高尾山。
次回は、天気の良い日を狙って稲荷山ルートで登ってみたい。景色を楽しめるはず。
高尾山の思い出はトラベラーズノートへ
翌日に、今回の高尾山をトラベラーズノートにまとめた。
思い出をこうやって手書きで残していくのは楽しい作業。
高尾山のまとめ
10月下旬某日
6:30 自宅発
8:00 高尾山口駅(京王線)着、登山開始(6号路)
9:20 山頂着
10:10 山頂発、下山(3号路)
11:15 ケーブルカー終着駅
11:30 下山(2号路〜琵琶滝〜6号路)
12:15 高尾山口駅着
13:45 自宅着
アイテム | 金額 |
---|---|
電車代 | 1,440円 |
ペットボトルの水 | 100円 |
天狗焼き | 200円 |
合計 | 1,740円 |